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What pilots do

パイロットの仕事内容とは?
飛行の流れと機長・副操縦士の違い

飛行機に乗るたびに、操縦席の中が気になっていた人へ。飛び立つ前から降りたあとまでの業務と、機長と副操縦士の役目の分け方を一緒に確かめていきましょう。

結論

パイロットの仕事は、乗客や貨物を乗せた飛行機を、出発前の準備から着陸後の報告まで、安全に目的地へ運ぶことです。飛行前には天気や経路を確かめて機体を点検し、飛行中は管制官と交信しながら操縦と見守りを分担し、着陸後には気づいたことを報告して次の便につなぎます。

乗客の目に触れることはほとんどありませんが、パイロットの業務は操縦している時間の前後にも続いています。本記事では、飛行前・飛行中・飛行後それぞれの業務、機長と副操縦士の役目の違い、旅客機以外のパイロットの仕事まで紹介していくので、自分が目指す仕事の姿をつかむ参考にしてみてください。

What pilots do

パイロットの仕事内容

一つの便を飛ばす業務は、時間の順に「飛行前」「飛行中」「飛行後」の3つの段階に分けると、全体がつかみやすくなります。まずは、それぞれの段階にどんな業務があるのかを見ていきましょう。

段階主な業務
飛行前天気・経路・燃料の確認と飛び方の打ち合わせ、機体の点検、操縦席の準備、客室乗務員との打ち合わせ
飛行中離陸から着陸までの操縦、管制官との交信、計器や天気の見守り、急な出来事への判断
飛行後機体の不具合や気づいたことの報告、経路上の天気や揺れの情報の共有、次の便への引き継ぎ

操縦そのものは、表の真ん中の段階にあたります。その前後にある準備と報告まで含めて一つの便であり、どの段階も安全に飛ぶために欠かせない業務です。

また、パイロットの勤務は飛ぶ日だけではありません。シミュレーター(模擬飛行装置)での訓練や技量を確かめる審査、急な交代に備える待機(スタンバイ)の日も勤務に入ります。勤務表の組まれ方や1日の時間の流れは、パイロットの働き方の記事で紹介しています。

A pilot’s work before the flight

パイロットの飛行前の仕事

飛行前の業務は、その日の便をどう飛ばすかを決め、飛行機と人の準備を整えることです。

運航管理者との打ち合わせ

出社したパイロットは、まず地上で運航を支える運航管理者(ディスパッチャー)と打ち合わせをします。出発地や目的地、経路上の天気、空港や空域の状態を知らせる航空情報、機体の状態を確かめ、どの経路をどの高さで飛び、燃料をどれだけ積むかを決めていきます。こうしてまとめたものが、飛行計画(フライトプラン)です。

燃料の量ひとつをとっても、目的地の天気が崩れて予定どおりに降りられない場合まで考えて決めます。地上でどれだけ先を読んでおけるかが、空の上での落ち着いた判断につながります。

機体の点検と操縦席の準備

打ち合わせを終えたら飛行機へ移り、機体を外から目で見て、飛ぶのに差し支える異常がないかを確かめます。

操縦席では、飛行計画の経路や高さをコンピューターに入力し、計器やスイッチの状態を一つずつ確かめます。整備士からは、その機体の整備の状況を聞き取ります。

機長は、整備の状況や重さと重心、天気、燃料などを確かめてからでなければ、飛行機を出発させることができません。機体の外まわりの点検(外部点検)も、機長が確かめることの一つです。さらに、出発には運航管理者の承認を受けることも定められています(航空法 第73条の2・第77条、航空法施行規則 第164条の15)。

客室乗務員との打ち合わせ

出発前には客室乗務員とも打ち合わせをして、飛行時間や揺れが予想される場所、到着地の天気などを伝えます。揺れる場所が前もって分かっていれば、客室乗務員は機内サービスの段取りを立てやすくなります。

A pilot’s work during the flight

パイロットの飛行中の仕事

飛行中は、操縦と管制官との交信、計器や天気の見守りを、離陸から着陸まで切れ目なく続けます。

飛行機は、地上を走り出す段階から管制官の許可を受けて動きます。滑走路へ向かうとき、離陸するとき、高さを変えるとき、着陸するときと、要所ごとに管制官と無線で交信し、指示に従って飛びます。空には多くの飛行機が行き交っているため、許可された経路と高さを守ることが、ほかの飛行機との安全な間隔を保つことにつながります。

巡航に入ると、多くの時間は自動操縦で飛びます。といっても、どの経路をどの高さと速さで飛ぶかを設定するのはパイロットで、飛行機が設定どおりに飛んでいるかを計器で確かめ続けます。行く先の天気を確かめて揺れや雷雲を避ける経路を考えたり、燃料の残りが計画どおりかを見たりと、次の判断に備える作業は止まりません。

機内で急に具合の悪くなった人が出たときや、機体に不具合が見つかったとき、目的地の天気が急に崩れたときには、そのまま飛び続けるか、別の空港へ向かうかを判断します。

目的地が近づくと、到着地の天気や使う滑走路を確かめて、降下と着陸の準備に入ります。こうした飛行中の業務を、操縦席の二人は役目を分けて受け持っています。

A pilot’s work after the flight

パイロットの飛行後の仕事

飛行後は、その便で気づいたことを報告し、次にその飛行機に乗る人や、同じ空を飛ぶ人へ引き継ぎます。

飛行機が駐機場に止まったら、飛行中に気づいた機体の不具合や気になった点を整備士に伝えます。整備士はその報告をもとに点検や整備を行い、次の便に備えます。また、機長は運航の状況を報告し、航空日誌を記載します。航空日誌には航行の安全に影響のある事項などを記録し、機長が署名することになっています(航空法施行規則 第142条)。

あわせて、経路上で揺れた場所や天気の様子を運航管理者に報告します。これから同じ経路を飛ぶ便のパイロットにとっては、出発前の打ち合わせで役立つ手がかりになる情報です。

その日の最後の便なら、報告を終えて業務は終わりです。続けて別の便に乗務する日は、次の便の準備に移ります。報告は地味に見えるかもしれませんが、一人の気づきが次の便の安全につながる、欠かせない業務です。

Differences between a captain and a first officer

機長と副操縦士の仕事の違い

機長はその便の責任者として最終的な判断を下し、副操縦士は機長と操縦を分担しながら、その判断を支えます。どちらも資格を持ち、同じ操縦席で一つの便を飛ばすパイロットです。

操縦を担当する人と見守る人

旅客機の操縦席では、二人が同じ操作をするのではなく、役目を分けて受け持ちます。

航空会社の説明では、二人は便ごとに、操縦を担当するパイロット(PF:Pilot Flying の略)と、計器の監視や管制官との交信などを担当するパイロット(PM:Pilot Monitoring の略)に分かれます。機長と副操縦士のどちらが操縦を担当することもあり、副操縦士に操縦を任せるかは機長が決めます。どちらが操縦していても、運航の責任を負うのは機長です(出典:ジェイエア「採用情報(パイロット)」)。

一人ですべてを抱えていると、見落としや思い込みに気づきにくくなります。もう一人が別の目で確かめていれば、小さな間違いも早いうちに見つけられます。

機長が担う判断と責任

機長は、乗り組む全員を指揮監督する立場です。危険が迫ったときには乗客に避難などを命じることができ、緊急のときは乗客の救助に手を尽くす義務を負うことが、航空法で定められています(航空法 第73条〜第75条)。

天気が崩れたときに出発を見合わせるか、行き先を変えるかといった迷う場面ほど、二人で意見を出し合い、最後の判断を機長が引き受けます。副操縦士は、機長の隣で判断のしかたを学びながら経験を積み、やがて機長を目指します。

機長として旅客機を操縦するには、上位の資格である定期運送用操縦士を取得する必要があります。副操縦士は、事業用操縦士か准定期運送用操縦士の資格で乗務します。資格ごとに可能となる業務範囲は、パイロットの資格の記事で紹介しています。

座る席と制服の違い

操縦席は、左が機長、右が副操縦士の席が原則です。制服で見分けられる会社もあり、たとえばJALでは、制服の肩の金色の線が4本なら機長、3本なら副操縦士です。

Pilot jobs outside passenger airlines

旅客機以外のパイロットの仕事

旅客機のほかにも、貨物機やヘリコプター、小型機、自衛隊や海上保安庁の航空機など、パイロットが操縦する機体と仕事はさまざまです。

主な勤務先主な業務
貨物機を飛ばす航空会社荷物を目的地まで運ぶ
ヘリコプターの運航会社報道の取材、物資の輸送、救急の搬送、薬剤の散布など
小型機を使う会社写真撮影や測量、遊覧飛行など
自衛隊国の防衛のほか、災害時の救助や物資の輸送
海上保安庁海上での取り締まりや捜索・救助、急患の搬送
警察・消防上空からのパトロールや警戒、救助、消火

民間の会社で報酬を受けて操縦するには、事業用操縦士などの資格が必要です。働く場ごとの目指し方は、パイロットになるにはの記事を参考にしてみてください。

Summary

まとめ

パイロットの仕事は、操縦している時間だけで成り立っているわけではありません。飛ぶ前に天気や経路を確かめ、飛んでいる間は二人で役目を分けて見守り、降りたあとは気づいたことを次の便へ渡す。その積み重ねが、一便ごとの安全を支えています。

覚えることや確かめることの多さに、少し身構えた人もいるかもしれません。けれども、操縦席の業務は、副操縦士として機長の隣に座りながら一つずつ身につけていくものです。編集部は、操縦席の中を知って「やってみたい」と思えたなら、その気持ちを大切にしてほしいと思っています。

FAQ about what pilots do

パイロットの仕事内容のよくある質問

Q. 自動操縦があるのに、パイロットは何をしている?

自動操縦の設定と見守り、行く先の天気の確認、急な出来事への判断をしています。自動操縦が受け持つのは、パイロットが決めた経路や高さ、速さを保って飛ぶところまでです。揺れを避けて高さを変えるか、具合の悪い人が出たときにどこへ降りるかといった判断は、パイロットが下します。

Q. パイロットは1日に何時間働く?

日によって違います。国の基準では、旅客機を二人で操縦する場合、飛行機が動き出してから止まるまでの乗務時間は1回の勤務で8〜10時間まで、出勤してから最後の便が止まるまでの時間は9〜13時間までと定められています。(上限は、勤務の始まる時刻や便の数によって変わります。出典:国土交通省「操縦士特有の運航環境を踏まえた乗務時間上限基準の制定」)勤務表の組まれ方や国内線・国際線の1日の流れは、パイロットの働き方の記事で紹介しています。

Q. 機長になるまで何年かかる?

国の資料では、機長に必要な定期運送用操縦士を取得するまでの期間を11年程度としています(出典:国土交通省「航空大学校の養成に関する検討会 とりまとめ 参考資料」)。訓練を終えて副操縦士になったあとも、乗務しながら飛行の経験を積み重ねていきます。(年数は、会社や本人の経験によって前後します。)大学などに通う年数も含めた方法ごとの年数は、パイロットになるにはの記事で紹介しています。

Q. パイロットの仕事はなくなる?

編集部は、近いうちになくなることは考えにくいと見ています。国土交通省の資料では、新しく生まれるパイロットは直近5年の平均で年に約330人(外国人のパイロットを含む)なのに対し、2030年には年に約400〜700人が必要になると見込んでいます(出典:国土交通省「航空大学校の養成に関する検討会」第2回 資料1)。

自動化は進んでいますが、行く先の天気を読み、もう一人と確かめ合い、最後の判断を引き受ける仕事は、いまもパイロットが担っています。(技術の進み方によって、操縦席の人数や役目が変わる可能性はあります。)求められている仕事だからこそ、目指す価値は十分にあります。操縦席に座る日を思い描きながら、できることから準備を始めてみてください。

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