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Pilot work life

パイロットの休みは?
シフト制の働き方と1日のスケジュール

パイロットの休みは、決まった曜日ではなくシフト制で組まれるため、土日や祝日に休めるとは限りません。休みの日数は会社によって違いますが、国の基準で、乗務できる時間の上限と、働いたあとにとる休養の時間が定められています。

結論

パイロットの休みは、決まった曜日ではなくシフト制で組まれるため、土日や祝日に休めるとは限りません。休みの日数は会社によって違いますが、国の基準で、乗務できる時間の上限と、働いたあとにとる休養の時間が決められています。

飛行機は年末年始もお盆も飛んでいるので、パイロットの暮らしは、カレンダーどおりに働く会社員とは少し違うリズムで回っています。本記事では、休みの数え方、勤務表の決まり方、国内線と国際線の1日、国が定める乗務の時間と休養の決まり、家族との時間や体調管理まで紹介していくので、パイロットの毎日を思い浮かべる参考にしてみてください。

How many days off do pilots get a month?

パイロットの休みは月に何日?

休みの日数は、会社によって違います。国の基準が決めているのは日数ではなく、1週間(168時間)を超えないごとに、夜を2回含む連続36時間以上の休養をとることです。曜日も固定されていないため、平日に休んで土曜日や日曜日に乗務する週も珍しくありません。月に何日休めるかは、応募する年の募集要項で確かめてください。

日数を数えるときに知っておきたいのは、「飛ばない日」がすべて休みではないことです。勤務表には、乗務のない日でも、シミュレーターでの訓練や会議、急な交代に備えて待機するスタンバイの日が入ります。休みとして数えるのは、勤務表で「OFF」と書かれる休み(公休)と、年次有給休暇を取得した日です。

そのかわり、時差の大きい国から帰ったあとには、体を戻すための休養が国の決まりで足されます。勤務表の上では休みが何日か続けて並ぶこともあり、まとまった時間を自分や家族のために使えるのは、この仕事ならではの良さです。

How pilot schedules are decided

パイロットのスケジュールの決まり方

パイロットは、会社が組む1か月ごとの勤務表(シフト)に沿って働きます。勤務表は前もって知らされ、それを見て、いつどこへ飛び、いつ休むのかが分かります。

勤務表に入るのは乗務と休みだけではありません。航空会社が紹介している勤務の例をもとに、編集部で整理すると次のようになります。

勤務表に入る予定業務内容
乗務国内線・国際線に乗務する。泊まりをはさむ勤務もある
スタンバイ天候や機材の不具合などで急に交代が必要になったときに備え、空港や自宅などで待機する
訓練・審査シミュレーター(模擬飛行装置)での訓練や、技量を確かめる定期の審査
会議・地上の業務乗務以外の打ち合わせや業務
航空身体検査乗務を続けるための健康の検査
休みOFF(公休)と年次有給休暇

なかでも欠かせないのが、訓練と審査です。技量を保つための定期訓練と定期の審査は、国の決まりで少なくとも年に1回受けることになっていて、審査に合格し続けることが乗務を続ける条件になります。毎日飛んでいるイメージを持たれがちですが、実際には、空の上で働く日と、地上で腕を磨く日を組み合わせて1か月が組み立てられています。資格を維持するために受け直すものは、パイロットの資格の記事で紹介しています。

A day in the life of a domestic pilot

国内線パイロットの1日のスケジュール

ここでは一例として、国内線の乗務の1日を時間帯の流れで紹介します。(出社の時刻や便の数は、会社・機種・その日の勤務によって違います。)

朝の便から始まる日は、まだ暗いうちに起きて空港へ向かいます。出社すると、まず地上で運航を支える担当者と一緒に、その日の天気や飛ぶ経路、機体の状態を確かめ、どう飛ぶかの方針を決めます。続いて飛行機に移り、操縦席のコンピューターの設定や機体の外まわりの点検、客室乗務員との打ち合わせを済ませて出発に備えます。

午前から昼過ぎにかけては、空港と空港の間を何度か行き来します。1日に2便で終わる日もあれば、短い路線を4便、5便と乗り継ぐ日もあり、着いた空港で次の便の準備をして、またすぐに飛び立つことも少なくありません。

最後の便を降りたら、飛行中に気づいたことや、次の便に役立つ経路上の天気や揺れの情報を報告して、その日の業務は終わりです。そのまま家に帰る日もあれば、最後に着いた街のホテルに泊まり、翌朝そこから乗務を始める日もあります。国内線でも、日帰りのほかに1泊2日や2泊3日で各地を回る勤務が組まれます。

早い時間に始まる日は昼過ぎに業務を終え、昼から始まる日は夜まで乗務する、というように、同じ国内線でも日によって生活の時間帯が入れ替わります。翌日の勤務が始まる時間から逆算して、前の晩の眠る時間を決めるのが、パイロットの日常です。

A day in the life of an international pilot

国際線パイロットの1日のスケジュール

国際線、特に長距離の便では、1回の乗務が数日がかりになります。こちらも一例として流れを紹介します。

出社して打ち合わせを済ませたら、十数時間のフライトに出発します。長距離の便には3人や4人のパイロットが乗り、交代で操縦席に座りながら、機内の仮眠のための設備で体を休めます。夜中に日本を出発して、現地の朝に到着する便もあります。

目的地に着いたら、ホテルで休んで次の乗務に備えます。現地に1〜2日ほど滞在してから、帰りの便に乗務して日本へ戻るのが一つの形です。時差の大きい地域に飛んだときは、到着地でとる休養も国の決まりで長めにとられます。体を整えたうえで現地の街を歩けるのは、国際線ならではの楽しみでしょう。

日本に戻ったあとも、時差に体を戻すための休養が決められていて、時差が大きいほど長くなります。1回の乗務で4日ほど家を空け、帰ってからはまとまって休む、というリズムになることもあります。

雲の上で迎える朝日や、眼下に広がる知らない国の景色は、長い勤務の先で待っている、操縦席からしか見られないごほうびです。

Limits on pilot working hours

パイロットの勤務時間の上限

旅客機を飛ばす航空会社のパイロットには、疲れによって安全が損なわれないよう、国が乗務の時間に上限を、休養に最低限の長さを決めています。令和元年(2019年)に国土交通省が見直した基準で、航空会社はこれに沿って勤務を組まなければなりません。

決まり国の基準(2人で操縦する場合)
乗務時間(飛行機が動き出してから止まるまで)1回の勤務で8〜10時間まで。積み重ねでは連続28日間で100時間、連続365日間で1,000時間まで
飛行勤務時間(出勤してから最後の便が止まるまで)1回の勤務で9〜13時間まで
休養勤務と勤務のあいだに10時間以上。1週間(168時間)を超えないごとに、夜を2回含む連続36時間以上。時差のある国際線のあとは上乗せされる

出典:航空法 第68条、航空法施行規則 第157条の3、国土交通省「航空機乗組員の乗務割について」(令和6年3月最終改正)、国土交通省「操縦士特有の運航環境を踏まえた乗務時間上限基準の制定」

1回の勤務の上限は、夕方から夜、深夜、明け方に始まる勤務や、1日の便数が多い勤務ほど短くなります。長距離の国際線で3人や4人で操縦する便は、機内に仮眠の設備があれば上限が延びます。

補足

自宅やホテルの個室で待つ場合は飛行勤務時間に数えない代わりに、待機(スタンバイ)は連続14時間までといった上限があります。空港など、それ以外の場所での待機は、すべて飛行勤務時間に入ります。

「パイロットは激務?」と聞かれれば、早朝や深夜の勤務、泊まりの多さという意味での大変さはあります。それでも、働く時間そのものは国の基準で細かく区切られ、体の負担が大きい時間帯ほど休む時間が厚くとられています。この仕組みは、乗客だけでなく、パイロット自身を守るためのものでもあります。

Do pilots get time with their families?

パイロットは家族との時間を持てる?

持てますが、時間の使い方は、土日に休む家庭とは少し違ってきます。

泊まりの勤務がある月は、家で過ごせない夜が何日もあります。家族の誕生日や子どもの学校行事が、乗務と重なることもあるでしょう。早朝に家を出る日や、夜遅くに帰る日もあるので、一緒に暮らす家族の生活のリズムも、勤務表に合わせて動くことになります。

そのかわり、勤務表は前もって分かるので、休みの日に合わせて家族の予定を立てられます。平日の休みなら、混雑を避けて出かけたり、役所や病院の用事を済ませたりしやすいのも良いところです。長距離の乗務から戻ったあとに休みが続けば、家族とゆっくり過ごす時間にもなります。大切な日に休みたいときは、年次有給休暇を取得する方法もあります。

会える日が限られるぶん、一緒に過ごす1日の密度はきっと濃くなります。編集部は、家族で勤務表を囲んで次の休みの計画を立てる時間も、この仕事がくれる楽しみの一つだと考えています。暮らし向きにかかわる給与のことは、パイロットの年収の記事で紹介しています。

How pilots look after their health

パイロットの体調管理

パイロットは、航空身体検査に合格し続けなければ乗務できない仕事です。第1種の航空身体検査証明の有効期間は原則1年で、旅客機のように二人で操縦する便では、60歳から半年ごとになります(航空法施行規則 第61条の3)。

勤務の時間帯が日によって変わるので、眠れるときにしっかり眠る、食事の時間を整える、体を動かして体力を保つ、といった日々の積み重ねが欠かせません。国の基準が休養の時間を確保していても、その時間をどう使うかは自分しだいです。

お酒との付き合い方にも決まりがあります。飛行勤務を始める前の8時間以内に飲酒することは認められず、乗務の前にはアルコールの検査で酒気を帯びていないかを確かめます。日ごろの飲酒の状況も、会社の健康管理の対象です(国土交通省「運航規程審査要領細則」「航空機乗組員等の健康管理に関する基準」。令和8年9月15日最終改正)。

視力の基準や航空身体検査の検査項目は、パイロットの航空身体検査の記事でくわしく紹介しています。体調を整えることも、操縦と同じくらい大切な仕事の一部です。

Summary

まとめ

パイロットの休みはシフト制で組まれ、土日や祝日とは限りません。休みの日数は会社によって違い、国の基準は日数ではなく、1週間ごとのまとまった休養を求めています。1か月ごとの勤務表には乗務のほかにスタンバイや訓練、審査も入り、国内線では1日に何便かを、国際線では数日がかりで乗務します。そのうえで、乗務の時間や休養のとり方には国の決まりがあり、体の負担が大きい勤務ほど休養が厚くなる仕組みです。

不規則な働き方に、不安を感じた人もいるかもしれません。けれども、平日のすいた街で過ごす休みも、長い乗務のあとのまとまった休みも、雲の上から見る朝日も、この仕事を選んだ人だけが手にできるものです。編集部は、休みの形が違うことを怖がらずに、自分と家族に合った暮らし方を思い描いてほしいと思っています。その暮らしの先には、操縦席からの景色がきっと待っています。

FAQ about how pilots work

パイロットの働き方のよくある質問

Q. パイロットは週に何回働く?

決まった回数はなく、勤務表によって週ごとに変わります。国内線を何日か続けて乗務したあとに休みが入る週もあれば、長距離の国際線で数日家を空け、帰ってから休みが続く週もあります。国の基準で、1週間を超えないごとに夜を2回含むまとまった休養をとることが決められているので、休養をはさまずに乗務が続くことはありません。

Q. 有給休暇は取得できる?

取得できます。ただ、大型連休や年末年始のように多くの人が休みたい時期は、希望が重なりやすいと考えておきましょう。(取得のしやすさは、会社や時期によって違います。)

Q. 訓練中も土日は休み?

会社や訓練の段階によって違います。入社して地上の部署で働く時期は、その部署の勤務の決まりに従う会社があります。訓練を受ける期間も、土日祝日を含めた勤務の形をとる会社があります。乗務を始める前から、曜日にしばられない暮らしに少しずつ慣れていくと考えておくとよいでしょう。

Q. LCCと大手で働き方は違う?

国の上限は、LCCにも大手の航空会社にも同じように適用されます。違いが出やすいのは、その会社がどんな路線を飛ばしているかです。長距離の国際線を持つ会社なら海外に泊まる数日がかりの勤務が入り、国内線や近い国への路線が中心の会社なら、日帰りや短い泊まりの勤務が中心になります。働き方を思い浮かべるときは、会社の大きさよりも、どの路線を飛ぶかに目を向けてみてください。

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