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Pilot salary

パイロットの年収はいくら?
平均1,630万円の中身と年齢別の目安

憧れの仕事だからこそ、お金の現実も知っておきたい。年齢や立場による違い、手取りの目安、これからの見通しまで、平均だけでは見えない中身を確かめていきます。

結論

パイロットの平均年収は約1,630万円で、日本の働く人の中でもとくに高い水準です(厚生労働省の令和7年の統計)。ただしこの平均には機長も副操縦士もヘリコプターのパイロットも入っていて、働く人の多い会社ほど高く、小さな会社では800万円台まで下がります。

本記事では、年齢や立場でどう変わるのか、手取りはいくらか、自衛隊やヘリコプターのパイロットはどうかまで、順番に見ていきます。

Average pilot salary

パイロットの平均年収はいくら?

国の統計で見ると、パイロットの平均年収は1,631万7,500円です。平均年齢40歳ほど、同じ会社に勤めて13年ほどの人たちの平均なので、新人がいきなりもらえる金額ではありません。まずは中身を見てみましょう。

項目金額など
毎月の給料(残業代などを含む)122万6,100円
1年分のボーナスなど160万4,300円
年収(毎月の給料×12か月+ボーナスなど)1,631万7,500円
平均年齢・勤続年数39.7歳・12.8年

この年収は、6月の毎月の給料を12倍し、前の年1年分のボーナスを足して出したものです。

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)第1表

この統計の「航空機操縦士」には、旅客機の機長と副操縦士のほか、ヘリコプターのパイロットや、遊覧・報道・測量などで飛ぶパイロットも入っています。対象は会社に雇われて働く人なので、自分で事業をして飛んでいる人は含まれません。

平均を大きく動かしているのは、会社の大きさです。働く人が1,000人以上の会社と100人未満の会社では、年収が2倍ほど違います。

組織規模平均年収平均年齢統計に入っている人数
1,000人以上約1,680万円39.4歳約7,000人
100〜999人約1,500万円39.1歳約1,110人
10〜99人約820万円50.3歳約240人
すべて(10人以上の会社)約1,630万円39.7歳約8,350人

小さな会社は統計に入っている人が少なく、平均年齢も50歳ほどです。年収が低い理由までは、統計からは分かりません。

なお、サイトによって平均年収の金額がばらばらなのは、使った統計の年や、ボーナスを足したかどうかなど、計算のしかたが違うためです。本記事では令和7年の統計にそろえています。

Why pilots earn so much

パイロットの年収はなぜ高い?

たくさんの命を預かる責任が重く、それを任されるまでに資格と訓練で長い年月がかかるからです。理由は3つあります。

乗客の命を預かる責任が重いから

操縦席での判断ひとつに、乗客と乗員全員の命がかかっています。天候が急に変わっても、機体にトラブルが起きても、どうするかを最後に決めるのは機長です。この重さが、給料の高さの土台にあります。

国家資格と長い訓練が必要だから

旅客機の機長になるには、国の「定期運送用操縦士」の資格が必要で、21歳以上・飛行時間1,500時間以上でなければ受けられません(出典:国土交通省「パイロットになるには」)。国の資料では、この資格を取るまでの期間を11年程度としています(出典:国土交通省「航空大学校の養成に関する検討会 とりまとめ 参考資料」)。

資格は取ったら終わりではありません。定期的に国の身体検査に合格し、会社の審査で操縦の腕を確かめられ続けます。腕と体を保ち続けることも、仕事のうちです。

早朝や夜、泊まりがけの勤務があるから

早朝や夜遅くの便、泊まりがけの乗務もあり、生活のリズムは一定ではありません。そのなかで体調を整え、毎回の乗務で万全の状態を保つことが求められます。乗務に応じた手当がつく会社もありますが、給料の中心は、責任と技術そのものへの対価です。

Pilot salary by age

パイロットの年収は年齢でどう変わる?

パイロットの年収は年齢とともに大きく上がり、20代前半の約360万円から、50代後半には約2,720万円になります。

年齢平均年収毎月の給料統計に入っている人数
20〜24歳約360万円約27万円約570人
25〜29歳約790万円約59万円約1,770人
30〜34歳約1,240万円約95万円約1,440人
35〜39歳約1,680万円約127万円約840人
40〜44歳約2,080万円約158万円約980人
45〜49歳約2,410万円約181万円約670人
50〜54歳約2,350万円約177万円約690人
55〜59歳約2,720万円約202万円約1,220人

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)第5表。毎月の給料は残業代などを含む額

30歳前後が気になる人は30代前半の約1,240万円、35歳前後なら30代後半の約1,680万円が、統計の上での目安です。

20代前半の年収は、ほかの仕事の同じ年代とほとんど変わりません。そこから一気に伸びるのがパイロットの特徴で、20代前半と50代後半の差は、全産業では1.8倍ほどですが、パイロットは約7.6倍です。最初から高いのではなく、経験を積むほど大きく報われる仕事だといえます。

First officer vs captain

副操縦士と機長で年収はどう違う?

機長のほうが高くなりますが、国の統計には副操縦士と機長を分けた数字がありません。そのため金額ではなく、どう段階を上がっていくかで説明します。

航空会社に入ると、まずは訓練生として操縦の訓練を受けます(最初は地上の仕事から始まる会社もあります)。国の「事業用操縦士」などの資格を取って副操縦士になり、経験を積んで「定期運送用操縦士」の資格と、機長としての国の認定を受けると、機長に上がります。立場が上がるたびに、給料も上がっていきます。給料の決まり方は会社ごとに違います。

統計で役職を分けていないので確かめることはできませんが、年齢別の表で30代から40代にかけて年収が大きく伸びるのは、副操縦士から機長へ進む時期と重なっていると編集部は見ています。

Monthly pay and take-home pay

パイロットの月収と手取りの目安

平均の毎月の給料は約123万円で、税金や社会保険料を引いた手取りは、年収から計算すると月約91万円が目安です。

毎月の給料122万6,100円には残業代や深夜手当なども含まれていて、それを除いた基本の給与は117万9,500円です。年齢による差も大きく、20代後半なら毎月の給料は約59万円です(年齢別の表)。

手取りを、条件を決めて1つだけ計算してみました。

項目金額
額面の年収1,631万7,500円
社会保険料約175万円
所得税(復興特別所得税を含む)約248万円
住民税約123万円
手取りの年収約1,087万円
1か月あたり約91万円

この手取りの計算の条件

令和7年の平均年収をもとに、東京の協会けんぽの保険料率、40歳未満、扶養する家族なし、ボーナスは年1回、各種の控除なしで計算しました。会社の健康保険組合や家族の人数、住んでいる地域によって、実際の手取りは変わります。

Salaries of military and helicopter pilots

自衛隊やヘリコプターのパイロットの年収

自衛隊のパイロットは、国家公務員としての給料に「航空手当」が上乗せされます。ヘリコプターのパイロットは、公務員として飛ぶか民間の会社で飛ぶかで給料のしくみが違い、ヘリだけの平均年収は公表されていません。

自衛隊のパイロット

防衛省は、33歳の1等空尉(配偶者と子ども1人)の戦闘機パイロットを例に、次の金額を示しています。平均ではなく、1つのモデルです。

項目金額
俸給(基本の給料)34万1,000円
航空手当23万5,920円
扶養手当1万6,500円
月給約59万4,000円
年収約883万5,000円

出典:防衛省「防衛省・自衛隊に関する質問 ~32 自衛官の手当について~」

この例は航空手当が引き上げられる前のもので、手当はその後引き上げられています(出典:防衛省「令和8年版 防衛白書」)。手当の割合は、戦闘機か輸送機かなどでも変わります。

大手の航空会社より低く見えても、給料を受け取りながら訓練を受けられ、国を守る誇りのある仕事です。

ヘリコプターのパイロット

国の統計は、ヘリコプターと旅客機のパイロットを同じ「航空機操縦士」で数えているため、ヘリだけの平均年収はありません。ヘリを運航する会社の募集要項にも、調べた範囲ではパイロットの金額は載っていませんでした。

国の資料によると、ヘリのパイロットは約1,300人で、その4分の3ほどが消防・警察・ドクターヘリ・海上保安庁の仕事をしています(出典:国土交通省ほか「ヘリコプター操縦士の養成・確保に関する関係省庁連絡会議 とりまとめ」)。警察官や海上保安官として飛ぶ人もいれば、運航を任された民間の会社の社員として飛ぶ人もいて、給料は働く場所ごとに違います。

Future outlook for pilot salaries

パイロットの年収はこれからどうなる?

パイロットはこれから足りなくなると見込まれていて、仕事がなくなる心配は小さいといえます。ただし、年収がどこまで上がるかは誰にも断言できません。

国土交通省の資料では、新しく生まれるパイロットは直近5年の平均で年に約330人(外国人のパイロットを含む)なのに対し、2030年には年に約400〜700人が必要になると見込んでいます(出典:国土交通省「航空大学校の養成に関する検討会」第2回 資料1)。人が足りない仕事は、待遇をよくして人を集めようとする力が働きやすいものです。

一方で、航空会社の経営は景気などの影響を受けやすく、統計の年収も年によって上下します。金額よりも「長く必要とされる仕事」だと受け止めておくのが確かです。

How to become a well-paid pilot

年収の高いパイロットになるには

年収の高い大きな航空会社を目指すなら、航空会社に入って育ててもらう「自社養成」か、国の「航空大学校」を通る道が中心になります。迷ったら、まず4年制の大学に進むのがおすすめです。自社養成も航空大学校もそこから目指せるので、道が広く残ります。

このほか、パイロットを育てる私立の大学や専門学校、自衛隊の航空学生といった道もあります。それぞれの条件や費用はパイロットになるにはの記事で、私立の学校ごとの違いはパイロットを目指せる大学・専門学校の記事で、くわしく比べています。

Summary

まとめ

パイロットの平均年収は約1,630万円で、日本の働く人の中でもとくに高い水準です。ただし20代前半は約360万円から始まり、経験を積んで機長へ進むにつれて大きく伸びていきます。会社の大きさでも2倍ほどの差があります。

高い年収は、たくさんの命を預かる責任と、何年もかけて身につけた技術への対価です。簡単な道ではありませんが、そのぶん、空の上で毎日だれかの旅や仕事、帰りを待つ人との再会を支える、誇りのある仕事です。お金も夢も、どちらもあきらめなくていい。その一歩を、いまから踏み出してみてください。

FAQ about pilot salaries

パイロットの年収のよくある質問

Q. JALとANAはどっちが年収が高い?

年や数え方で変わるため、本記事ではどちらが高いとは決めていません。目安としては、働く人が1,000人以上の大きな会社のパイロットの平均年収は約1,680万円です(令和7年の統計)。会社ごとの数字は、両社が毎年公表している有価証券報告書の「従業員の状況」で確かめられます。最近の報告書では、両社ともグループの会社をまとめた運航乗務員(パイロット)の平均年間給与を載せています。会社全体の平均年間給与は地上で働く人も含めた全社員の数字なので、見間違えないようにしましょう。

Q. パイロットと医者はどっちが年収が高い?

同じ国の統計(令和7年)では、パイロットが約1,630万円、医師が約1,510万円で、パイロットのほうが高くなっています。ただし、この統計に入る医師は病院などに雇われている人だけで、開業医は含まれません。年によっては医師が上回ったこともあります。

Q. パイロットの年収1億円は本当?

国の統計では、いちばん高い50代後半でも平均は約2,720万円で、1億円にあたる数字はありません。「1億円」は、少なくとも平均的なパイロットの年収ではないと考えてよいでしょう。

Q. パイロットは勝ち組?

年収だけで見れば、全産業の平均(約546万円)の3倍ほどです。ただ、身体検査や技能の審査に合格し続け、毎回の乗務で命を預かる仕事でもあります。勝ち負けよりも、空への憧れと責任を持ち続けられる人にとって、誇れる仕事です。

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