How to become a pilot
パイロットになるには?
4つの方法と迷ったときの選び方
パイロットを目指したいけれど、何から始めればいいのか分からない。方法ごとの年数や難しさ、条件、費用を比べながら、自分に合う進み方を一緒に考えます。
結論
パイロットになる主な方法は、航空会社に入って育ててもらう「自社養成」、国の「航空大学校」、パイロットを育てる私立の大学や専門学校、自衛隊の4つです。迷ったら、まず4年制の大学に進んでください。自社養成も航空大学校もそこから目指せるので、いちばん道が広く残ります。
ただし、どの方法でも簡単ではありません。この記事では、何年かかるか、どれくらい難しいか、条件と費用まで、順番に見ていきます。
Main ways to become a pilot
パイロットになる主な方法
旅客機のパイロットになる道は、大きく4つに分かれます。違うのは、どこで訓練を受けるか、費用をどう払うか、何歳ごろから目指せるかです。まずは全体を表で見てみましょう。
| 方法 | 費用のめやす | いつから目指せるか |
|---|---|---|
| 自社養成(航空会社に社員として入り、訓練を受ける) | 社員として給料を受けながら訓練。訓練費の負担は会社ごとに違う | 4年制大学を卒業するとき |
| 航空大学校(国が設けたパイロットの学校) | 入学料と授業料で約509万円 | 大学に2年以上通ったあと、または短大・高専・専門学校(専門士)を卒業したあと |
| 私立の大学・専門学校 | 訓練費を含めると多くが2,000万円超 | 高校を卒業するとき |
| 自衛隊(航空学生など) | 学費はかからず、給料を受けながら訓練 | 高校を卒業するとき(航空学生は18歳以上24歳未満) |
このほか、民間のフライトスクールに自費で通い、資格を取ってから航空会社に応募する道もあります。ただ、プロを目指すコースの費用を公開しているスクールは少ないので、通う前に問い合わせて確かめる必要があります。
Which route should you choose?
パイロットになるにはどの方法がいい?
迷っているなら、4年制の大学に進むのがおすすめです。理由は2つあります。
1つ目は、自社養成と航空大学校の両方に手が届くことです。大手航空会社の自社養成は、4年制大学を卒業する人が主な対象で、学部を問わない会社もあります。航空大学校も、大学に2年以上通って62単位以上を取っていれば受けられるので、大学2年生のときに受験できます。1つの進路で、チャンスを2回持てるわけです。
2つ目は、お金の負担が軽いことです。自社養成は社員として給料を受けながら訓練を受けますし、航空大学校の入学料と授業料は約509万円です。大学の学費は別にかかりますが、訓練費を含めると2,000万円を超えることが多い私立に比べれば、家計への負担はずっと小さくなります。
費用を用意できて、高校を出てすぐ訓練を始めたい人には、在学中に操縦の資格まで取れる私立の大学や専門学校も選択肢になります。
高校を出てすぐ目指すなら「航空学生」
自衛隊でパイロットを目指す「航空学生」は、高校を卒業した18歳以上24歳未満の人が受けられます。学費はかからず、給料を受けながら2年間の基礎教育を受け、そのあと操縦の訓練に進みます。将来は自衛隊のパイロットとして国を守る仕事になるので、エアラインとは目指す先が違うことも知っておきましょう(出典:防衛省「令和8年度 自衛隊航空学生採用要項」)。
How many years does it take?
パイロットになるには何年かかる?
大学から自社養成に進む場合、大学の4年に加えて、入社してから訓練を経て副操縦士になるまでに数年かかります。入社してすぐに飛ぶわけではなく、最初は地上の仕事から始まる会社もあります。
機長になるには、さらに長い時間がかかります。国の資料では、機長に必要な資格(定期運送用操縦士)を取るまでの期間を11年程度としています(出典:国土交通省「航空大学校の養成に関する検討会 とりまとめ 参考資料」)。
長い道のりに見えますが、自社養成なら入社した日から社員として給料を受け取りながら、一歩ずつ操縦席に近づいていきます。
Is it hard to become a pilot?
パイロットになるのは難しい?
簡単ではありません。航空大学校は、令和8年度入学の入試で一次試験の受験者1,153人に対して定員が108人で、約10.7倍の競争でした。航空会社の自社養成も、大手でさえ1社の採用は数十人ほどです。自社養成は応募者の数が分からないため、倍率ははっきりしません。
難しさは、学力だけで決まるわけではありません。どの道でも、筆記の試験に加えて、身体検査や操縦の適性、面接などで、パイロットに向いているかを確かめられます。
それでも、毎年パイロットになっている人は確かにいます。航空大学校では、最近6期の卒業生524人のうち502人が航空会社などに就職しました。狭い門でも、通り抜ける人は毎年います。その1人になるために、いまからできる準備を始めましょう。
Requirements: education, age, eyesight, height and English
パイロットになるための条件(学歴・年齢・視力・身長・英語)
学歴と年齢は、どの道を選ぶかで決まります。視力や身長は、眼鏡をかけているから、背が低いからといって、すぐにあきらめる必要はありません。
学歴
大手の自社養成は4年制大学などの卒業が条件で、航空大学校は大学に2年以上(62単位以上)通うか、短大・高専を卒業しているか、専門学校を出て専門士などの称号を持っていることが必要です。高校卒業で受けられるのは、自衛隊の航空学生や私立の大学・専門学校などです。
年齢
航空学生は18歳以上24歳未満です。航空大学校も生まれた年の範囲が決まっていて、入学する年に20代前半までの人が対象です。自社養成は会社ごとに違い、卒業後の年数で区切る会社もあれば、年齢を問わない会社もあるので、応募する年の募集要項で確かめてください。
視力
裸眼の視力がよくなくても、眼鏡やコンタクトレンズで矯正できれば目指せます。操縦では外の様子や計器を正しく見ることが欠かせないため、国の身体検査(航空身体検査)では、矯正して各眼0.7以上・両眼1.0以上が求められます。ただし、レンズの度数には上限があり、会社や学校が国より厳しい条件を設けることもあります。視力を上げる手術や、寝ている間に角膜の形を整えるコンタクト(オルソケラトロジー)は、受けると目指せなくなる道もあります。なお、自衛隊の航空学生は、裸眼でも両眼とも0.1以上が必要です。
身長
国の身体検査の基準には、身長の項目がありません。ただし、自衛隊や海上保安庁のように「158cm以上190cm以下」といった条件を設けているところもあります。航空大学校は身長の制限をなくし、代わりに無理のない姿勢で操縦できるかを試験で確かめています。
英語
パイロットは英語を使う仕事です。航空無線のやりとりや、日本と外国の間を飛ぶときには英語の力が必要で、国の「航空英語能力証明」がなければ外国との間は飛べません。訓練の一部を海外で行う航空会社もあります。そのため入試や選考でも英語の力が確かめられます。いま得意でなくても、高校の英語をていねいに積み上げることが、そのまま準備になります。
How much does it cost?
パイロットになるのにかかる費用
費用は道によって大きく違います。負担が軽いのは自社養成と自衛隊、重いのは私立の大学や専門学校です。
- 自社養成:入社して社員として給料を受けながら訓練を受けます。訓練費の負担のしかたは会社によって違い、一部を本人が持つ制度もあります。大学までの学費は自分で用意します
- 航空大学校:入学料と授業料を合わせて約509万円です(募集要項の額を足したもの)。このほか寮や食事の費用と、入学前の大学2年分(または短大・高専)の学費がかかります
- 私立の大学・専門学校:訓練費を含めると、多くの学校で2,000万円を超えます
- 自衛隊・海上保安庁:学費はかからず、公務員として給料を受けながら学べます
私立の学校ごとの費用や、在学中に取れる資格は、パイロットを目指せる大学・専門学校の記事でくわしく比べています。
費用の差は大きいですが、お金がないから無理、ではありません。給料を受けながら訓練できる道があることを、ぜひ覚えておいてください。
Licenses you need
パイロットに必要な資格
旅客機のパイロットに必要な国の資格は、段階的に3つあります。
- 自家用操縦士(17歳以上):お金をもらわずに飛ぶための資格
- 事業用操縦士(18歳以上):仕事として飛ぶための資格。旅客機では副操縦士として操縦できます
- 定期運送用操縦士(21歳以上・飛行時間1,500時間以上):旅客機の機長になるための資格
このほかに、国の身体検査に合格し続けることと、無線の資格も必要です。資格は自社養成や学校の訓練の中で順番に取っていくので、高校生のうちに自分で取りに行く必要はありません(出典:国土交通省「パイロットになるには」)。
Other paths if your first plan doesn’t work out
夢がかなわなかったときも、パイロットになる道はある
自社養成や航空大学校に届かなかったとしても、そこで道が終わるわけではありません。編集部は、1回の不合格で夢をあきらめてほしくないと思っています。次の手を4つ挙げます。
もう一度受ける
自社養成には、卒業後しばらくは既卒でも応募できる会社や、年齢を問わない会社があります。航空大学校も、年齢の範囲内なら次の年に受け直せます(二次試験の脳波検査で不合格になった人を除きます)。再受験の回数を決めている会社もあるので、応募する年の募集要項で確かめてください。
航空大学校や私立の学校に切り替える
自社養成に届かなかった大学生も、年齢の範囲内であれば航空大学校を受けられます。費用はかかりますが、私立の大学や専門学校で学ぶ道も残っています。年齢などの条件は学校ごとに違います。
自分で資格を取って、地域の航空会社などへ
フライトスクールで事業用操縦士などの資格を自費で取り、資格を持つ人を募集する航空会社に応募する道です。航空会社で働いた経験がなくても、事業用操縦士と計器飛行証明(計器や管制の指示を頼りに飛ぶための資格)があれば応募できる募集もあります。ただし、事業用操縦士を取ると自社養成には応募できなくなります。順番を間違えないように、自社養成を受け終えてから考えましょう。
ヘリコプターや小型機、海上保安庁のパイロット
旅客機だけがパイロットの仕事ではありません。ヘリコプターや小型機のパイロットとして働く道もあります。海上保安庁は事業用操縦士などの資格を持つ人をパイロットとして採用していて、高校を卒業して12年未満なら、海上保安学校の航空課程から目指すこともできます(出典:海上保安庁「海上保安庁のパイロット」)。
遠回りに見える道も、ちゃんと空につながっています。あきらめずに次の一手を選んだ人から、操縦席に近づいていきます。
Summary
まとめ
パイロットになる主な方法は、自社養成・航空大学校・私立の大学や専門学校・自衛隊の4つです。迷ったら4年制の大学へ進めば、自社養成と航空大学校の両方を目指せて、費用の負担も抑えられます。
どの道も簡単ではありません。それでも毎年、新しいパイロットが生まれています。まずは英語と数学の勉強、そして体を大切にすることから始めてみてください。いま踏み出す一歩が、いつか操縦席につながっています。
FAQ for future pilots
パイロットになりたい人のよくある質問
Q. 高卒でもパイロットになれる?
なれます。いちばん近いのは自衛隊の航空学生で、高校を卒業した18歳以上24歳未満の人が受けられます。海上保安学校の航空課程(高校卒業後12年未満)や、私立の専門学校、フライトスクールで自費で資格を取る道もあります。大手の自社養成と航空大学校は、高校卒業だけでは受けられません。
Q. 社会人からでもなれる?
なれます。航空大学校は年齢の範囲内なら社会人も受けられ、自社養成にも既卒の人や年齢を問わず応募できる会社があります。エアラインでは国際線は65歳未満、国内線は条件つきで68歳未満まで飛べるので、少し遅れて始めても長く空で働けます。
Q. 文系でもなれる?
なれます。自社養成には学部を問わない会社があり、文系から目指す人もたくさんいます。航空大学校の一次試験には数学や物理も出るので、文系の人も高校の範囲はしっかり押さえておきましょう。
Q. 勉強はどれくらいできればいい?
「偏差値いくつ以上」という決まりはありません。自社養成を目指すなら4年制大学に進む学力、航空大学校なら英語や数学・物理などの試験に通る力が要ります。英語と理数の基礎を、こつこつ積み上げていきましょう。
Q. 女性でもなれる?
なれます。女性も男性と同じ条件で応募できます。自衛隊や海上保安庁には身長などの条件があるので、受ける前に確かめておきましょう。まだ少ないからこそ、あなたがこれから続く人たちの道しるべになれます。
Pilot – other pages
職種「パイロット」の他の情報
Rekimee AIR (レキミー エアー) では、パイロットという職種について、様々な角度から企画・制作したコンテンツが沢山あります。下に、各コンテンツへのリンクを掲載しておりますので、ご興味があるカードをクリックしてご覧になってみてください。
このページを引用する
パイロットの仕事の全体像は、パイロットとはの記事でまとめています。
